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月いちリーディング『だるまかれし』感想。

とっても遅ればせながら、先日無事に終了しました月いちリーディングの感想です。

「月いちリーディング」とは、日本劇作家協会が行っている戯曲ブラッシュアップのためのワークショップ。

応募された戯曲の中から毎月1編を取り上げ、俳優によるドラマリーディングのあと、観客も含め、その場に集った全員で戯曲についてディスカッションを行うワークショップですが、今回それに初めて取り上げられ、私、とっても緊張しておりました。

慣れない場所、なれない人との時間は、水中でずっと息をとめている感じなので、慣れるのに時間がかかります。

月いちリーディングは1日だけのことなので、私、絶対慣れない。

よみがえる、自己紹介で過呼吸をおこした過去。

なので月いちリーディングでの、ブラッシュアップとは別の個人的な目標は「倒れない」でした・・・・・。

朝、出演者や今回のフィシリテイター、コーディネイターの方々と共に、座・高円寺に集合。
軽い自己紹介のあとで、出演者と作家とファシリテイターが輪のように座り、さっそく戯曲の読み合わせにはいります。
(過呼吸をおこさなかったよ!)

キャストの中には、6年前に私の作品にご出演いただいてからのご縁で、今回のために島根の教習所からきてくれた辻村優子さんがいて、久々の再会がうれしい

ゲストの鹿目由紀さんとも劇作家大会以来にご一緒出来てテンションがあがります。あいかわらず知的で素敵で懐の深いお姉さまで、勝手になついております。

もう一人のゲストの鐘下辰男さんはほとんど絡みがなく、10年前の戯曲セミナーで講師として来て頂いて以来なのですが、その時の講義に実は私遅刻していきまして、遅れて教室に入ろうとしたら鐘下さんが「死刑囚の弁護をしているアメリカ人の弁護士が電話を待っている」というシチュエーションを演じられているまっ最中。

あの眼鏡に長髪、長身の鐘下さんが、机の上に足をのっけて難しい顔をしているという絵が初対面だったので、えっ、なにこの人。超怖いというファーストインプレッションが脳裏に刻み込まれ・・・・。

月いち前に「鐘下さん、すごい怖いんですが大丈夫でしょうか・・・・」とびびって相談(?)したりしておりましたが、相談した方全員から「すごい優しい人だよ」「あの長髪はすごい天然パーマで髪を短くすると大変なことになるから伸ばしているんだよ」との回答をいただき、そして実際優しい人でほっとしました。鐘下さん、勝手に怖い方だと思っていて申し訳ありませぬ。

また今回のファシリテイターの関根信一さんは、劇作家女子会。でトークゲストに来て頂いたり、劇団劇作家でお世話になったり、以前に拙作『コカ・コラー・ソルジャー』という短編を演出してもらったこともあり、安心感のある方で、作家は全面的にお任せ。
読み合わせの前に、ト書きの読みやフリガナ等の細かい部分をすりあわせていくのですが、関根さんの質問や設定するルールは明確で、戯曲と作家への細やかな配慮が感じられて、さすがでした。

正直、作家の私ですら自分の戯曲にそこまで細やかな配慮はしていません。

だってワーッて書くから。
ワーッてだしてだしっぱなしだから。

出演者が全員揃うのはこの日が初めてだったのですが、皆様さすが、それぞれの世界観をもちよって、読み合わせ一回目で『だるまかれし』の世界を立ち上がらせていきます。

『だるまかれし』は今年7月の初演の後、いろんなご縁で今回で三度目の上演となったのですが、演じる俳優、演出家、上演の形態によって毎回まったく違う戯曲の世界が立ち上がります。
それは当たり前のことではありますが、毎回新鮮な驚きだし喜びです。

今回のリーディングでは、戯曲では映像と指定されている上司や先生といったキャラクターのセリフを人間が演じられたので、そのことによる効果や与える印象の違いも面白くみました。

映写される文字との対話では、「私の世界に誰もいない」という氷の世界のような孤独感が際立ちましたが、人間が演じると「人間関係のなかで生まれる疎外感や孤独感」が見えやすくなります。

揺れて荒ぶる内面を、作為や欲をもたずにみせてくれた川上友里さん。
最初の一言から戦後の街並みが背景にみえる村岡希美さんと岡本 篤さん。
シリアルキラーとその被害者予定のカップルのかみ合わないやりとりを、POPでリアルに、キュートに演じられた伊藤俊輔 さんと今井由希さん。
戯曲の構造や役割への理解を深く読み込んでくれた佐藤拓之さんと辻村優子さん。
ト書きという屋台骨をきっちり支えてくれた野崎数馬さん。

本番のとても素晴らしいリーディングは以下に映像がありますので、よろしけれ是非是非見てくださいませ。



リーディング後のディスカッションでは、リズ・ラーマン方式とよばれる方式でお客様との交流がすすんでいきます。
1、とにかくなんでもいいので作品を褒める
2、作者からの質問
3、自由な議論

という三段階をふむのですが、最初の「褒められる時間」はすっごい気持ちよかったです。
だって普段劇作家ってあんなに褒められないもの

その後の質問や自由な議論も、お客様から活発に様々な声がでてきて、リーディング前、関根さんいわく「戯曲自体が短いし、ディスカッションはいつも長くても90分くらいで終わるから」とのことだったんですが、蓋をあけてみるとディスカッションの時間が100分。

全然長く感じなかったし、色々な感想や着眼点、作者も思いもよらなかったつながりの発見があって、始まる前は「緊張で倒れるんじゃないか」「言葉がでなくなるんじゃないか」「障害とかあつかっているし場が荒れたらどうしよう」と心配していましたが、予想と違う楽しい、充実した時間をすごしました。

個人的に衝撃だったのは、鐘下さんも鹿目さんも、お客様が100人いれば100人に届ける気持ちで書いている、と言われたことで、私はその点を最初から「100人には届かない」とあきらめてしまっているので、お二人の答えで作家としてのスタンスというか心構えを問われたような気がしました。

お客様に「わかってもらう」ということがどういうことなのか、わかってもらえない、という地点からなぜ書くのか。
他人に届けたいというモチベーションが自分は希薄なのか、希薄だとしたらそれは劇作家として正しいのか、間違いなのか。間違いだとしたらどう正していけばいいのか。
自分のなかのリアリティと、他者のリアリティ。
その溝と齟齬を見つめつつ、どのように埋めるのか、あるいは埋めないのか。
そもそも私は、自分の戯曲を演じられる俳優や立ち上げてくれるスタッフ、劇場へ足を運んでくださるお客様の存在をリアルに感じられているのでしょうか。

宿題がいろいろだされたディスカッションの様子は以下に映像がございます。
長いですが、よろしければご覧くださいませ。



自分が終始猫背なのと、髪の分け目が真っ白で髪が薄いことがばれてしまうのが残念・・・・。
とりいそぎ、作家としての姿勢の前に身体的な姿勢を矯正する必要があるようです
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2016-09-28 : 芝居 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

ものを書く縮小 劇作家のモスクワカヌです。
短編・音楽劇・ラジオドラマ・Webコラム等を書いております。 ペンネームの由来は、以前住んでいた某首都+本名。
演劇ユニット「遊戯ヱペチカトランデ」の主宰もしてますが。団体は現在お休み中です。
HP:「遊戯ヱペチカトランデ」
BLOG:「дача берёза ダーチャ・ベリョースカ」
劇団劇作家所属。劇作家女子会。メンバー
お問い合わせはyugi.mw☆gmail.com(☆を@に変えてください)にお願いします。

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前回の公演

遊戯ヱペチカトランデ
第弍回公演

MGトリコロール縮小
Musical
Mademoiselle Guillotine
~マドモアゼル・ギロティーヌ~

strong>2013/9/5(木)~9/9(月)@日暮里d-倉庫
詳細はこちらから。

過去の公演

公演は無事終了しました。ご来場ありがとうございました。

☆作家/演出として参加。

劇作家女子会×時間堂presents
劇作家女子会!
期間:2013年6月13日(木)~16日(日)
※演劇公演です。
会場:王子小劇場
女子会縮小版 劇作家女子会!HP
劇作家女子会!BLOG
遊戯ヱペチカトランデ公演
「The Giris next Door」
~おんなの子、
藪をつつけば、蛇がでる。~


2011年12/8(木)~12/12(月)
公演の詳細はこちらから。

趣向ワカヌ公演
縲発表表縮小版

「発表~いま、ここ。~」
まだ、ゆれてる。

作/演出
オノマリコ モスクワカヌ
演目/出演
リーディング『いま、ここ』
公演の詳細はこちらから。

蜻蛉玉チラシ完成縮小
「蜻蛉玉遊戯」
2010年9/1(水)~9/5(日)
公演情報はこちらから。

☆演出助手として参加。

2013年3月23日~27日
@座・高円寺
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
「ハルメリ2013」
台本:黒川 陽子
演出:丸尾 聡

2011年8月27日~28日
@スペース・ゼロ
非戦を選ぶ演劇人の会
「核・ヒバク・人間」
構成台本:非戦を選ぶ演劇人の会
演出:鵜山 仁

2011年3月9日~15日
@中野テアトルBONBON
オフィスプロジェクトM
「死刑執行人~山田浅右衛門とサンソン~」
作演出:丸尾 聡

2010年12月
北京蝶々「あなたの部品 リライト」
作:大塩 哲史
演出:黒澤 世莉(時間堂)
詳細はこちらから。

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