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劇作家女子会。『人間の条件』ウラ話その3 ~プロット派と感覚派の仁義なき戦い~

本日いよいよ小屋入りとなります、ミュージカル『人間の条件』

作風も個性もバラバラな4人の劇作家が、角突き合わせて共作した本作。
劇作家女子会。は結成してから4年たつユニットですが、実は今回、共作を通じて初めてわかったことがありました。

それは、各々の戯曲の書き方の違いについて。

ざっくりわけると、坂本鈴と黒川陽子がプロット派、オノマリコ、モスクワカヌは感覚派だったのです。

プロット派である鈴さんと陽子さんは、まず戯曲のMAP、ともいえるプロットを、頭から終わりまで用意するところから劇作が始まります。
情報の出し方や伏線の回収、物語の起承転結それぞれで起こる出来事と、その出来事からどんな結末を引き出せるのか。

さながら海外旅行前に、現地の情報を可能なかぎり収集リサーチし、旅のしおりを作成し、全ての日程でしっかりとスケジュールをたててから海外へ飛ぶ人のようです。

対するオノマリコとモスクワカヌは感覚派。プロット書かない、書いてみなくちゃ物語がどう転ぶかわからない派。
準備はそこそこに、とりあえず飛べ、と、海外に行っちゃう感じ。

お互いへの信頼もリスペクトもある4人ですが、この戯曲へのアプローチの違いは、女子会。にとっても思いがけない共作の際のハードルになりました。

陽子さんや鈴さんが、構造や対立の魅せ方を考えて提示してくれる場面のプロットを、私が書き出してみたらぶっ飛ばしてしまったり。

我ながら地図通りに目的地に着けない劇作方向オンチか、と思いますが、書いてる間に新たに見えるものや出てくるものがあると、寄り道をするようにそちらの方向にも 行ってみたくてたまらなくなる性分ゆえ、人がたててくれたプロット通りに書くということに、なかなかの苦戦をしました。

対して、リコさんや私の書く劇中での「ジャンプ」、詩情や歌で現実的な地平から遠ざかる部分が、陽子さんや鈴さんに伝わりにくいのかなと思うこともあったり。

「具体的にしたほうがいい」
「いや、それは書きすぎだ。説明的だ」

みたいなやり取りが、けっこーあった。

この「劇中で何をどこまで観客に提示するか」のラインも4人バラバラ。
私にとってトゥーマッチと思える部分が、他のメンバーからは適切な提示に見えたり、その逆もありえたり。

劇作するにあたって、こんなに多くの時間、人と話したことがないというくらい皆で話し合いましたが、お互いに影響し合える部分も出て来れば、受け入れられない部分も明らかになったり。そしてその溝は埋まらなかったりもして。

共作というのは、文字通り共に書く、という作業で、私たちは1つの戯曲を共に書いたわけですが、それ通じて劇作家女子会。
が1つになったわけではないな、と思います。
むしろ今までより、4人それぞれが「個」であること、劇作家として、人間としての境界線がよりクリアにシャープになった感じです。

特に日本では「和」を尊ぶし、私の中にも漠然とチームのメンバーがバラバラなのは不安という気持ちがあって、各人が「個」であることは、メンバーがバラバラってことではないのか、というネガティヴなイメージがありました。

でも今回の共作を経てわかったことですが、同じ団体でも、それぞれが独立した個人であることは全然怖くない。

共作を経た今もなお、私たちの戯曲へのアプローチは統一されたわけでもないし、人間の条件もバラバラだし、なんなら思想信条にだって齟齬がある。

私たちは同じものにも1つにもなれないけれど、それでも1つの作品をつくれるし、一緒にいることも出来る。

それは女子会。のなかだけの話じゃなく、『人間の条件』という座組や、もっと広い世界にも通ずることかもしれない、と思います。

劇作家4人、出演者28名、演出、音楽、振付をはじめとするスタッフ陣にフィールドワーク部門と、大勢のバラバラな人間がつくりあげた、そして幕が降りるまでつくり続ける舞台『人間の条件』。

この座組に、さらに客席のお客様という他者の眼が加わることで、虚構の劇が1つのリアルとして世界に立ち現れます。

初日は18日の19時に、座高円寺・1にて開演。21日まで、全6ステージの公演です。

皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

公演についてはこちらから
http://gsjoshikai.tumblr.com/

チケットのご予約はこちらから
https://www.quartet-online.net/ticket/humancondition


ただいまクラウドファウンティング実施中
『人間の条件』の公演や私達の想いについて知って頂けたら、ご支援を頂いて女子会。に参加して頂けたら嬉しいです。

クラウドファウンティングについてはこちらから。
https://motion-gallery.net/projects/ninngennnojouken






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2017-05-15 : 劇作家女子会。 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

ものを書く縮小 劇作家のモスクワカヌです。
短編・音楽劇・ラジオドラマ・Webコラム等を書いております。 ペンネームの由来は、以前住んでいた某首都+本名。
演劇ユニット「遊戯ヱペチカトランデ」の主宰もしてますが。団体は現在お休み中です。
HP:「遊戯ヱペチカトランデ」
BLOG:「дача берёза ダーチャ・ベリョースカ」
劇団劇作家所属。劇作家女子会。メンバー
お問い合わせはyugi.mw☆gmail.com(☆を@に変えてください)にお願いします。

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前回の公演

遊戯ヱペチカトランデ
第弍回公演

MGトリコロール縮小
Musical
Mademoiselle Guillotine
~マドモアゼル・ギロティーヌ~

strong>2013/9/5(木)~9/9(月)@日暮里d-倉庫
詳細はこちらから。

過去の公演

公演は無事終了しました。ご来場ありがとうございました。

☆作家/演出として参加。

劇作家女子会×時間堂presents
劇作家女子会!
期間:2013年6月13日(木)~16日(日)
※演劇公演です。
会場:王子小劇場
女子会縮小版 劇作家女子会!HP
劇作家女子会!BLOG
遊戯ヱペチカトランデ公演
「The Giris next Door」
~おんなの子、
藪をつつけば、蛇がでる。~


2011年12/8(木)~12/12(月)
公演の詳細はこちらから。

趣向ワカヌ公演
縲発表表縮小版

「発表~いま、ここ。~」
まだ、ゆれてる。

作/演出
オノマリコ モスクワカヌ
演目/出演
リーディング『いま、ここ』
公演の詳細はこちらから。

蜻蛉玉チラシ完成縮小
「蜻蛉玉遊戯」
2010年9/1(水)~9/5(日)
公演情報はこちらから。

☆演出助手として参加。

2013年3月23日~27日
@座・高円寺
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
「ハルメリ2013」
台本:黒川 陽子
演出:丸尾 聡

2011年8月27日~28日
@スペース・ゼロ
非戦を選ぶ演劇人の会
「核・ヒバク・人間」
構成台本:非戦を選ぶ演劇人の会
演出:鵜山 仁

2011年3月9日~15日
@中野テアトルBONBON
オフィスプロジェクトM
「死刑執行人~山田浅右衛門とサンソン~」
作演出:丸尾 聡

2010年12月
北京蝶々「あなたの部品 リライト」
作:大塩 哲史
演出:黒澤 世莉(時間堂)
詳細はこちらから。

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