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暗くて長いトンネルも絶対に永遠ではない。

昨日は荒川たんぽぽセンターで、発達障害の当事者として、同じ障害をもつ就学前のお子様のいるご家族の前でお話をしてきました。

講演のテーマは「自尊心」で、メインの講師の方は別にいるので私の話は補助的なものでしたが、講演で話すなんて初めてのことだったので緊張。講師の露木さんが、就労と自尊心の関係や、家庭で健康的な自尊心を育むための具体的な声かけの方法、逆にNGな褒め方等を説明している最中、やたらトイレが近くて「ああ、自分キンチョーしてるな」と自覚。

自己紹介をするだけで過呼吸を起こしていた自分にこんな場と機会がめぐってくるなんて、そしてその場で当事者として発言をしてもかまわないと思うなんて、正直つい最近まで考えもしていませんでした。
人生には本当に、私の苦手な「思いもよらないこと」がたくさん起こるものだと思います。

簡単な自己紹介の後、自分の子供の頃の話から、診断を受けるまで。そして受けた後から現在について。
一口に発達障害といっても、その特性のあらわれ方は人それぞれだし、特性の濃さも人や状況によりグラデーションのように異なるので、たとえ当事者でも結局自分の経験値でしか発達障害というものを語れません。

ただ、今の日本社会の仕組みは「若くて健康な成人」を基礎にしたマジョリティ向けに出来すぎているので、発達障害者をはじめとするマイノリティ勢が疎外されたりエラーを起こしてしまうことが多いという現実はあるし、同調圧力が強い環境は、大多数と同じ速度と方向に発達できない子供にとって酸素の薄い場所におかれているようなもので、とくにまだ社会や自分を知る経験の少ない子供のうちは、生きているだけで辛いと思う。
そしてその子供の現在や将来に心を砕いているご家族の方も、同じように不安だったり辛かったりがあるのだと思います。

私自身も10代の頃はまだ「社会の目」に対する意識が育たなくて、社会生活のルールよりも自分のこだわりや愛着を優先した結果トラブルになることが多く、しかもその理由が理解できないので苦労したし、障害の特性からしてしまう行動が「努力不足」「性格が悪い」「人間的に劣っている」という理由付けをされるのが本当に辛かった。

定型発達の人と比べたらトライアンドエラーの回数がどうしても多くなる発達障害の人間にとって、失敗から立ち直るための「自尊心」はとても大切だし、社会のなかで育まれにくいそれを、家庭のなかで健康的に育むことを目的にした今回の講座は、内容が具体的なのもあって、とてもよい試みだったと思います。

私は大人になってから診断を受けたので、就学前に発達障害があるとわかっているお子様のいるご家族とは状況が違うし、自分の話がどこまで実のあるものになるかわからないという心配はあったけれど、自分の経験から思うことをお話しました。

時間はかかるしやり方に工夫は必要だけれど、発達障害だからといって変化出来ないわけでも成長できないわけでもない。
中学高校自体にほとんど友達がいなくても(笑)、特性からくるこだわりや得意なことを通じて人間関係を広げることはできる。
大人になれば自分の居場所や付き合う相手を選べるから過ごしやすくなる。
いわゆる普通の人になることは出来ないしそれをゴールにするのではなくて、障害もふくめた自分らしさをもちながら社会と関わっていく。
一生苦労したり出来ないこともあるけれど、それはそれとして日々を楽しく幸せにすごすこともできる。

それぞれのお子様の未来に何かを約束することは出来ないけれど、自分をはじくことが多い仕組みのなかでトライを繰り返しながら、なんとか上手くやれる道、それが本道でないあぜ道でもけもの道でもスキマでも、お子様や保護者の方に見つけていってもらえればいい。そしてそういう生きる道は、たとえすぐには見出せなくても、それぞれにちゃんと用意されているのではないかと思うのです。

私も10代20代の頃、人前で話す自分や友達のいる自分、書くことを続けられている自分、自分にあわない服みたいな違和感のある世界となんとか折り合いをつけている30代の自分がいることを、想像すらしていませんでした。

長い暗いトンネルのようだった時代もありましたが、そのトンネルは永遠のものではなかったし、今トンネルのなかにいる人が想像するのは難しいと思いますが、出口があることを心と頭の片隅にとどめておいてほしい。そのことをお伝え出来ていたらと思います。

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2017-09-30 : 障害のこと : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

ものを書く縮小 劇作家のモスクワカヌです。
短編・音楽劇・ラジオドラマ・Webコラム等を書いております。 ペンネームの由来は、以前住んでいた某首都+本名。
演劇ユニット「遊戯ヱペチカトランデ」の主宰もしてますが。団体は現在お休み中です。
HP:「遊戯ヱペチカトランデ」
BLOG:「дача берёза ダーチャ・ベリョースカ」
劇団劇作家所属。劇作家女子会。メンバー
お問い合わせはyugi.mw☆gmail.com(☆を@に変えてください)にお願いします。

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前回の公演

遊戯ヱペチカトランデ
第弍回公演

MGトリコロール縮小
Musical
Mademoiselle Guillotine
~マドモアゼル・ギロティーヌ~

strong>2013/9/5(木)~9/9(月)@日暮里d-倉庫
詳細はこちらから。

過去の公演

公演は無事終了しました。ご来場ありがとうございました。

☆作家/演出として参加。

劇作家女子会×時間堂presents
劇作家女子会!
期間:2013年6月13日(木)~16日(日)
※演劇公演です。
会場:王子小劇場
女子会縮小版 劇作家女子会!HP
劇作家女子会!BLOG
遊戯ヱペチカトランデ公演
「The Giris next Door」
~おんなの子、
藪をつつけば、蛇がでる。~


2011年12/8(木)~12/12(月)
公演の詳細はこちらから。

趣向ワカヌ公演
縲発表表縮小版

「発表~いま、ここ。~」
まだ、ゆれてる。

作/演出
オノマリコ モスクワカヌ
演目/出演
リーディング『いま、ここ』
公演の詳細はこちらから。

蜻蛉玉チラシ完成縮小
「蜻蛉玉遊戯」
2010年9/1(水)~9/5(日)
公演情報はこちらから。

☆演出助手として参加。

2013年3月23日~27日
@座・高円寺
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
「ハルメリ2013」
台本:黒川 陽子
演出:丸尾 聡

2011年8月27日~28日
@スペース・ゼロ
非戦を選ぶ演劇人の会
「核・ヒバク・人間」
構成台本:非戦を選ぶ演劇人の会
演出:鵜山 仁

2011年3月9日~15日
@中野テアトルBONBON
オフィスプロジェクトM
「死刑執行人~山田浅右衛門とサンソン~」
作演出:丸尾 聡

2010年12月
北京蝶々「あなたの部品 リライト」
作:大塩 哲史
演出:黒澤 世莉(時間堂)
詳細はこちらから。

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