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高校演劇アワード2018の旅日記



2018年2月25日、岩手県は西和賀のほっとゆだという場所に初めて行ってまいりました。
2月終わりの岩手県西和賀がどんな場所かと言えば…





こんな場所です。
背丈よりも高い積雪
舞い散る粉雪
電車の進行に従って増えてくる山の景色と減ってくる線路沿いの建物

THE・北国。
まごうことなき北国に、暦のうえでは春の初めとはいえ2月に上陸してしまいました。
ほっとゆだは、駅に足湯があるくらい温泉を推している地域らしいですが、今回の旅の目当ては温泉ではなく演劇。

今回が第一回目の開催となる『高校演劇アワード』を観劇するための旅路です。
ちなみに『高校演劇アワード』とは、岩手県西和賀町の銀河ホールにて開催される、複数の高校が同じ新作書下ろし脚本を上演し、その演出力を競うという高校演劇の大会です。
第一回目となる今回の参加校は全部で5校なのですが、そのなかに3月に劇作家女子会。がプロデュースする『高校演劇マルシェ』の参加校、岩手県の盛岡市立高校演劇部の皆様と、大阪府の桃谷高校文芸部ドラマ班が偶然にもそろっておりまして。
せっかくの機会なので、『高校演劇マルシェ』の中の人の一人として、プロデューサーとなる劇作家女子会。のメンバーとして、はるばる来たで西和賀~というわけです。

東京からほっとゆだ駅までは大宮から北上まで新幹線で向かい、北上からは北上線でほっとゆだ駅まで行くというルートで銀河ホールを目指す私
が、北上線にてまさかの踏切故障で電車が停止するというトラブルが。



「えーっ!!」と思いましたが、車掌さんが「今駅員が雪をおとしに走って現場にむかってるのであと30分はかかります」と案内していたのが地味に面白くてなんとなくほっこり。
外、粉雪舞ってるのに走ってむかうんだ…北国の駅員さんは大変です…。

駅員さんの奮闘で思ったよりも早く電車が動き出し、最初の二校は間に合わなかったのですが、盛岡市立高校演劇部と、桃谷高校文芸ドラマ班、西和賀の特設演劇部の上演は観ることが出来ました。



粉雪の舞うほっとゆだ駅に到着。
銀河ホールは駅から徒歩5分なので、雪深くてもなんとか歩いて辿りつけるはず…が、入り口を探してウロウロ。雪で視界を塞がれまくりです。
なんとか銀河ホールへもぐりこみ、盛岡市立高校演劇部の上演を観劇した後がちょうどお昼休憩になったので、顧問の岡部先生にご挨拶させて頂きます。



2ショット写真。
おっとりとした外見の先生ですが、ちょっとお話するとなかなかの熱量を内に秘めた方とお見受けしました。
とてもアクティブな方で、身一つで来てしまった私にかわり、チラシの折り込みから審査の待ち時間に高校演劇マルシェの宣伝までしてくださいました。岡部先生、本当にありがとうございます

休憩後は桃谷高校文芸部ドラマ班、そして西和賀による上演を経て、審査員による講評と審査にはいります。
さてこの高校演劇アワード、範中遊泳の山本卓卓さんが書いた台本を、出場高校がそれぞれ独自の解釈演出で競演するという、ちょっと変わったコンセプト。
同じ台本を5連続、というと、いくらなんでも途中で飽きてしまうのでは?と
懸念があったのですが、なかなかどうして、それぞれの高校のカラー、解釈、ときには部員の人数や性別の制約を逆手にとるような上演もあって、飽きない連続上演でした。

盛岡市立高校演劇部の上演は、画の美しさとミザンスがしっかりしていて、大人数が常に舞台上にいるにも関わらず、「今どこで何が起きているのか」がとても見やすい上演。SNS越しの人間関係を可視化した演出で、台本通りのラストシーンに、盛岡市立高校演劇部の解釈がきちんと反映されているのも見事でした。

桃谷高校文芸部ドラマ班は、課題の台本をもとに潤色した内容を上演。
課題の戯曲と向き合った結果うまれた強い動機で、「この台本を上演する自分たち」の視点で世界観を再構築されていました。私は数年前から桃谷の演劇部もとい文芸部ドラマ班の皆様とご縁があって、もはや勝手に皆の親戚のおばちゃん気分でいるのですが、これまでの彼らの公演で培ってきたものが結集されていて、なんだか色々と感無量。

ラストの西和賀高校は、演劇部、というものがなく特設演劇部として活動されているとのこと。ですが映像を使用したスタイリッシュなオープニングから、現実と劇中とが奇妙にねじれたような本編まで演者の皆様が堂々としていて声もよく、高校生たちの熱量と底力を見ました。舞台美術も、現代と不安定な世界観の表現がちょっとアートっぽくて好み。

見逃した盛岡工業高校と、最優秀演出賞を受賞した精華高校の上演も見たかったです…。

それにしても、これだけの規模の大会、しかも初開催が、観客の目線から見て危なげなく幕があがり降りたことには、ひとえに運営の方々や裏方スタッフの皆様の並々ならぬ尽力があってこそと思います。
私は高校演劇アワードに関しては特に舞台裏に関わることはなく、ほぼほぼお客様の立場で観劇をしたのですが、演劇の現場というのはだいたいが不測の事態の連続ですし、大きな企画の初めての立ち上げなら尚更色んなことが起こると思うので、その全てを乗り越えて実現された今回のアワード。
舞台の裏や下にいる方々にも、惜しみない拍手をしたい気持ちです。

あと、出場した高校の高校生たちも本当によく頑張られたのだろうな。
趣旨的には、高校生を若い表現者として、その表現のステップアップの機会となることを目指す大会であり、演出力を競うという点で審査講評もガッツリ。表現者としての意識や表現の手腕を問われる大会だったと思います。
ただ、「参加することに意義がある」というと意識が低いように思われるかもしれませんが、参加までには日々の稽古があり、音響照明の仕込みがあり場当たりがあり、それと並行して高校生としての日常もあり…。それはやっぱり大変なことだと思うし、それをおしても演劇をやりたい、やっている若者がいることはとても嬉しいことなので、参加して上演をやりきった高校生たち全員にも個人的に拍手を贈りたいです。

高校演劇アワードは、すでに第二回の開催も予定されているとのこと。
この企画が、西和賀という魅力のある土地と、日本全国の高校生、演劇、人が出会い交わるきっかけになっていけばよいなと思います。

私たちの開催する3月の高校演劇マルシェにむけて、よい刺激とパワーをもらった旅。

自分もよい公演をしようと、決意を新たに致しました

高校演劇マルシェ→https://t.co/OSmfNWoPu9




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2018-02-28 : 芝居 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

ものを書く縮小 劇作家のモスクワカヌです。
短編・音楽劇・ラジオドラマ・Webコラム等を書いております。 ペンネームの由来は、以前住んでいた某首都+本名。
演劇ユニット「遊戯ヱペチカトランデ」の主宰もしてますが。団体は現在お休み中です。
HP:「遊戯ヱペチカトランデ」
BLOG:「дача берёза ダーチャ・ベリョースカ」
劇団劇作家所属。劇作家女子会。メンバー
お問い合わせはyugi.mw☆gmail.com(☆を@に変えてください)にお願いします。

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遊戯ヱペチカトランデ
第弍回公演

MGトリコロール縮小
Musical
Mademoiselle Guillotine
~マドモアゼル・ギロティーヌ~

strong>2013/9/5(木)~9/9(月)@日暮里d-倉庫
詳細はこちらから。

過去の公演

公演は無事終了しました。ご来場ありがとうございました。

☆作家/演出として参加。

劇作家女子会×時間堂presents
劇作家女子会!
期間:2013年6月13日(木)~16日(日)
※演劇公演です。
会場:王子小劇場
女子会縮小版 劇作家女子会!HP
劇作家女子会!BLOG
遊戯ヱペチカトランデ公演
「The Giris next Door」
~おんなの子、
藪をつつけば、蛇がでる。~


2011年12/8(木)~12/12(月)
公演の詳細はこちらから。

趣向ワカヌ公演
縲発表表縮小版

「発表~いま、ここ。~」
まだ、ゆれてる。

作/演出
オノマリコ モスクワカヌ
演目/出演
リーディング『いま、ここ』
公演の詳細はこちらから。

蜻蛉玉チラシ完成縮小
「蜻蛉玉遊戯」
2010年9/1(水)~9/5(日)
公演情報はこちらから。

☆演出助手として参加。

2013年3月23日~27日
@座・高円寺
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
「ハルメリ2013」
台本:黒川 陽子
演出:丸尾 聡

2011年8月27日~28日
@スペース・ゼロ
非戦を選ぶ演劇人の会
「核・ヒバク・人間」
構成台本:非戦を選ぶ演劇人の会
演出:鵜山 仁

2011年3月9日~15日
@中野テアトルBONBON
オフィスプロジェクトM
「死刑執行人~山田浅右衛門とサンソン~」
作演出:丸尾 聡

2010年12月
北京蝶々「あなたの部品 リライト」
作:大塩 哲史
演出:黒澤 世莉(時間堂)
詳細はこちらから。

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